大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和25年(う)3951号 判決 1950年12月21日

被告人

金村且権こと

金且権

主文

本件控訴はこれを棄却する。

理由

弁護人飯島磯五郎の控訴趣意第一点について。

本件訴訟記録を精査するに、本件臨検捜索差押許可状(昭和二十五年押第九九六号の一)は日本専売公社職員専売監視秋山恒二の請求により被疑者金且権事金村且権に対するたばこ専売法違反の犯則被疑事件について昭和二十四年九月十七日連合軍憲兵司令部勤務の東京簡易裁判所裁判官向井周吉の発したものである。而して本件臨検捜索差押許可状には臨検すべき場所捜索すべき身体又は物件として横浜市鶴見区末吉町五六八の被疑者方と表示し、差押えるべき物件として本件にかかる専売法違反物件一切と表示されている。横浜市鶴見区には単に末吉町なる町名は存在しないことは所論のとおりであるが、これを以て直ちに憲法の要求する捜索すべき場所の表示の欠けたものとは謂い難く、又押収すべき物件の表示としては右記載により必要且つ十分なものと解すべきである。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例